ネーミングの人気は、音が伝える「イメージ」の良さで決まります。 ことばが伝える「イメージ」を、科学的根拠を元に明らかにしたのが音相理論です。

有限会社音相システム研究所(創業1990年4月)では、次の活動をおこなっています。

1. ネーミングがもつすべての表情を取出し、精緻な評価を行います
2. 「コンペに勝てる」プレゼン案を、自信をもって提案します
3. 大量のネーミング案から真に優れた作品を短時間で選びます
  その他、「ことば」やネーミングに関するご相談など
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2010年7月 第1号

( 目次 )

ネーミング批評(1) 美しいことば「サングラス」
ネーミング批評(2) 新鮮査を保ち続けるネーミング
「カルピス」「三ツ矢サイダー」
ことば評論(1) 俳句 「七月や 雨脚をみて 門司にあり」
(藤田湘子)
ことば評論(2) 音相基でわかる世界の言語の共通性
ネーミングの分析・評価を行います
「広告コンペ」に強い企画書を提案します
ことばのイメージについてのコンサル業務
ストック商標の有効性をチェックします
音相理論の集大成書をお分けします

≪ネーミング批評(1)≫ 

美しいことばサングラス

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表情解析欄を見ると、上位に「躍動感、進歩的、清らかさ、爽やかさ、高級感、新奇さ、軽快感、現代的、都会的、若さ、活性的」が並び、この語がもつイメージのほとんどを明白に表現しているのがわかりますが、複雑度の高さ(「3」)と情緒解析欄に出ている「ためらい感」「不思議な感じ」「孤高感」から、この物がもつ異質感が伝わってきます。

またコンセプト・バリュー欄に「若者層に好感がもたれる語」と出ているため、モダンさやカッコいい雰囲気が感じられます。

このようなイメージは、調音種の多用と総合音価の高さ、それにマイナス輝性の高さの照応によって生まれます。

≪ネーミング批評(2)≫ 

新鮮さを失わないネーミング
「カルピス」と「三ツ矢サイダー」

どちらも明治、大正時代から庶民の間で愛されている夏のドリンクですが、いつまでも新鮮な響きを伝えてくるこのネーミングがどこから生まれるのかみてみようと音相分析をしてみました。

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表情解析欄を見ると、どちらの語も「爽やかさ(N)」をトップに、「安らぎ感(P)、明るさ(I)、健康感(O)、シンプル感(A)、新鮮さ(C)若さ、(G)躍動感(B)・・・」など、清涼飲料の雰囲気を適切な音で表現した優れた語であることがわかります。

この音からなぜ新鮮さや新奇さが生れたのか、それはどちらの語にも次の音相基が多く含まれているからです。
(有効音相基欄、参照)

無声摩擦音系が多いこと・・・無声摩擦音系とはハ行、サ行音とその拗音 をいいますが、これらの音は若さや爽やかさのイメージを作ります。
無声化母音が多いこと・・・母音イまたはウが無声音の子音の間に入ったときなどに生まれる音で、軽快で躍動的な雰囲気を作ります。
③. 調音種比が高いこと・・・調音種(破裂音、摩擦音、鼻音、流音、前舌音など)の種類が拍数に比べて標準より多い場合をいいます。調音種比が高いと健康感、躍動感、爽涼感などを作ります。

いつになっても古さを感じさせないネーミングには、これらの音が多く入ったものが多いのです。
(カッコ内は、該当する項目を示します)

正宗(①②③)、白鶴(①②③)、福神漬け(①②③)、 三越(①②③)、
高島屋(①②③)、ノーシン(①②③)、 実母散(①③)、毒掃丸(②③)、
松屋(①③)・・・

≪ことば評論(1)≫ 

【俳句】七月や 雨脚を見て 門司にあり
(藤田湘子)

俳句作家小林恭二氏は、「七月を詠んだ句の中でもっとも好きな句」と前置きして、次のコメントをしています(産経新聞、日曜俳句欄)。

「なんとなくアンニュイ(退屈)な感じがある。それはおそらく旅先で、なすことなくただ雨脚を見ているというイメ-ジからきている。ついでそのアンニュイの質である。アンニュイといってもいろいろある。男性のアンニュイ、女性のアンニュイ。若もののアンニュイ、老年のアンニュイ。このアンニュイはその中で言えば青年もしくは壮年のアンニュイであろう。

それはひとえに「七月」の語感によっている。七月ということばには強さ、明るさ、絶頂に向かう勢いなどが最初から含まれている。だからわたしは青壮年期の男性をイメ-ジするのだ。ちなみに同じ七月でも「文月」になるとまた違う。「七月や」のかわりに「文月や」をおいてみたらいい。するとこの句の登場人物は、青壮年期の男性から一転して中年すぎの落ち着いた女性になる。」

「七月」と「文月」という音の響きから年齢や性別を捉えるなど、さすが鋭い観察です。小林氏はそれを「語感」ということばで述べていますが、音相論的には次のような表現が可能になります。

「しちがつ」 4拍語の場合、明るさ(B)、強さ(H)の平均値は〈B0.9 H2.3〉ですが、この語は〈B3.7 H8.1〉で標準値より極めて高いため、「非常に明るく、非常に強いイメージをもつ語」となります。このような異状な高さになったのは日本語の音の中で勁性(強さ)と輝性(明るさ)が最も高い無声破擦音が2拍(ち、つ)も入っているからです。そのためこの句からイメージされるアンニュイは、10代後半から20代ぐらいの男性のものとなるのです。
「ふみづき」 この語の音価は〈B0.3 H4.3〉で、標準値〈B3.7 H8.1〉に比べるときわめて低い値です。原因は、この語祖がソフトなイメージを作る鼻音と摩擦音でできているからです。そのためこの語は「穏やか、高級、優雅」など、「静」の方向を向く音相を持ち、アンニュイも中年以上の女性のものになるのです。

≪ことば評論(2)≫ 

音相基でわかる世界の言語の共通性
・・・イメージは音用慣習の違いで生れる

ことばの音の構造とイメージの関係を見てゆくと、世界の言語には感覚的に共通すると思えるものを多く捉えることができます。

そういう例を上げてみましょう。

(1)動物の啼き声の擬声語の比較から

猫の鳴き声は、日本語では「ニャーニャー」、英語は「ミューミュー」といいます。元の鳴き声は同じのはずなにオノマトペとして言語化するとこのような違いが生れます。

「ニャーニャ-」(日本語)と「ミューミュー」(英語)
・・・・ 【共通点】 どちらも鼻拗音(ニャ、ミュ)と長音でできている。
「ワンワン」(日本語)と「バウワウ」(英語)
・・・・ 【共通点】 どちらも全音が有声音で、ア列音の両唇音(ワ、バ)を多用している。
「コケコッコー」(日本語)と
「コッカドゥードゥルドゥー」(英語)
・・・・ 【共通点】 どちらも破裂音(コ、ケ、カ、ドゥ)でできている。

この方法は、西欧語の場合も同様でした。

ひよこ ピヨピヨ」(日本語)と「ピープ」または「チープ」(英語)
・・・・ 【共通点】 ともに無声破裂音系(ピ、プ、チ)と、イ列音でできている。
「カーカー」(日本語)と「コーコー」(英語)
・・・・ 【共通点】 どちらも無声音の喉頭破裂音(カ、コ)と長音でできている。

一見無関係な音のように見えても、調音種の段階まで下げて捉えると同族の有縁的な音を使っているのがわかるのです。

(2)母音iは、「明るさ、小ささ、鋭さなど」を表わす語に多い

この例は、現在でも象徴論の実験などでも多くみられます。

英語 little(小さい) pin (ピン) mini (小さい) tip(先端) pygmy (小人) crisp(きびきび) brisk (はきはき) keen(鋭い) listening (懸命に聞く) shine (輝く) tight (固い) bit(小片) chip(木切れ) child (子供)・・・
日本語 小さ (い) 黴(カビ) 錐(きり) 針先(さき) 槍(やり) 銛(もり)  キビキビ ピチピチ ピカビカ きりきり チクチク チカチカ 指摘 理性 鋭敏 機敏 厳しい・・・

(3)「rやl」は「回転または動くイメージ」を持つ語に多い

Physis説の先駆者ヘラクレートスが紀元前に提唱したものですが、象徴論の実験などでは今も多く使われます。

英語 circle (円) run(走る) round (回る) fall (落ちる) splash(はねかえる) float(漂う)  flight(飛行) trip(旅行) wheel(車) carry (運ぶ) trans(~を越えて) rapid(早い) ring(輪) rise(立ち上がる、上がる) hurry(大急ぎ)・・・
日本語 歩(く) 倒れ(る) 流れ(る) 転(ぶ) 揺れ(る)丸(い) 転が(る) 転落 水流 遍歴 輪廻(りんね) 離陸 飛来 流浪(るろう) 流行 流動さらさら ふらふら きらきら するする ころころ ごろごろ ぶらぶら クルクル さすら(う) のろのろ そろそろ ひらひら ずるずる・・・

(4)破裂音は男性的、鼻音は女性的

グリーンランド地方の土俗語に、男性がp.t.kで発音するところを女性はm.nで発音する言語があるそうです。(金田一春彦著、岩波新書『日本語』)

このことは無声破裂音であるp.t.kは男性的(動的、活性的)なイメージをつくり、鼻音(m.n音)は女性的(静的、情緒的)なイメージの語に多いことを意味します。この例も日本語をはじめ世界の主要言語で多く見られます。

(5)性区分語の共通点

性区分のある言語(ラテン語、ギリシャ語、フランス語、イタリー語、スペイン語、ポルトガル語など)では、女性詞の語末に「a.e」音が多く 、男性詞の語末は「o」が多いようです。このような音の使い方は音韻体系の全く異なる日本語でも多く見られます。

(6)人気いの高いブランド名は、どの国でも原音のままで発音されている

世界的に著名なブランド名「ロールスロイス、ルイビトン、シャネル、ティファニ、ストラディバリウス」などは、どの国でも原語のままの発音で高い人気を得ていますが、これらの音相を分析するとそれぞれのブランド・コンセプトにふさわしい音でできた語であることがわかります。

以上の例から、人々がことばの音に対して抱くイメージは、言語や民族を超えて共通するものが多いことがわかるのです。

音楽は「人類の共通言語」だといわれています。それは人の脳内で音感的な良否を聞き取る「聴覚野」の機能がすべての民族で同質だからです。ことばの音の良否を聞きわける部位も同じ聴覚野のため、世界の言語に共通点が生まれるのです。

 

音相システム研究所が行なっている事業

当研究所では、次の事業を行なっています。

ネーミングの「分析と評価」を行います。

当研究所では、このホーム・ページの冒頭でおこなったようなネーミングの分析と評価を行なっています。

また、大量のネーミング案の中からその商品コンセプトの表現度の高いものをコンピューターで取り出すプロジェクトも行っています。

「広告コンペに強い」企画書作り
・・・音相分析で生まれるユニークなアイデア

テレビCM用の映像や、ネーミングの制作コンペなどに参加をされる際の企画書に、音相的発想が捉えたユニークな提案のコンサルを行っています。

コンペには種々のものがありますが、「音相論」という新しい発想による提案が評価され、大手代理店の参加する大型コンペでもトップ採用を頂くことがすくなくありません。

そのような例に、次のようなものがあります。

1. ネーミングの制作コンペの場合

大衆はことばの音に高い感性を持っていますが、それらを具体的に捉えたり論の体系はありません。そのためネーミングの専門家でも、音についての評価は個人のカンに頼るほかないのが現状です。

そのため多額の費用と時間をかけても、ヒット・ネーミングはほとんど生まれないのです。

音相理論を使うと、個人の主観を取り去った最優良の案が選べます。

2. テレビCM用映像を制作するコンペの場合

CM画像に出てくる社名や商品名など(キーワード)を音相分析し、その語が伝えるイメージを捉えたうえ、そこから生れるイメージを使った映像プランが立てられるのです。

3. 大量のネーミング案から優良作を取り出すコンペの
   場合

大量に集めたネーミング案の中から優良作を選び出す作業は、これまですべて手作業で行われていましたが、せっかくの優良作が選ぶ個人の主観や好みで捨てられてゆく例がたいへん多いのです。

当所では、クライアントから伺った商品のコンセプトをコンピューターに入力し、それに大量案を入力して個々のコンセプト表現度を捉えたうえ、上位のものをさらに細密分析して最優良作を推薦します。この方法を用いることで短期間で、客観性の極めて高い作品が提案できるのです。

「ストック商標 」の有効性をチェックします
・・・経費節減で見落とされているもの

バブルの経済が華やかなころ、各企業では将来発売される商品のため、ネーミングを商標登録する施策が行われました。

その種のものがいま企業内でストック商標となって大量に保管され、商標権維持のため毎年多額の更新料を特許庁に支払っています。

商標登録の申請は、化粧品、薬品、衣料品、食品、電気製品、コンピューターなど45の「区分」別に行ないますから、無関係と思える区分にも同じ名称で申請するため、45区分の半分くらいに申請する例も少なくありません。

認可をうけた商標は、10年ごとに一区分48,500円の更新料を支払いますから、100語を20区分に登録している会社では、10年ごとに9,700 万円(年平均970万円)の支出となります。

この費用は企業内でも毎年問題になりながら、これまでネーミングとしての価値を客観的に評価できる理論や技術がなかったため、やむを得ない支出とされていました。

だがストック商標の中で、将来使用に耐えるものがどれほどあるかが問題です。 当研究所が調査したところでは、保有しても将来成果の期待できないものが三分の一以上を占めています。

そこでこれら遊休商標の、価値の見直しが必要になるのです。

「その種の調査はわが社では実施済み」と思われているところもありますが、商品コンセプトとの関係で有効性を評価する技術は「音相解析法」をおいてほかにありません。

未使用商標の実態(推測)とその活用例

この解析は、当研究所が開発したOnsonicソフトで行います。 分析結果その商品に適さないものは他の商品や他事業部へ回してヒット・ネーミングになった例も少なくないし、リストラして社外へ譲渡するのも一策です。

「音相理論の集大成書をお分けします。

「日本語の音相」(木通隆行著、小学館スクウェア刊、)および「ネーミングの極意」(同著、筑摩新書刊)はすでに絶版となっていますが、当研究所に余部がありますのでお分けします。本書の内容はこちら

郵便番号、住所、氏名、電話番号、冊数、誌名」をメールでご連絡(こちら)いただけば郵便でお送りします。

頒布価額(送料とも) ・・・ 「日本語の音相」 2,850円
  「ネーミングの極意」 1,000円

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ネーミングの極意(1) 新しいことばの世界を拓く音相論
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